- 公開日:2026.02.16
- 更新日:2026.02.16
- 太陽光発電
【2026年最新】太陽光発電はやめたほうがいい?「終わった」「元が取れない」と言われる5つの理由と判断基準
目次
「太陽光発電はもう終わった」「今さら導入しても元は取れない」。
2026年現在、インターネットやSNSでは、太陽光発電に否定的な意見を目にする機会が増えています。
導入を検討している方にとって、こうした言葉は強い不安材料になりやすいでしょう。
ただ、その「やめたほうがいい」という警告の中には、2010年代の前提(売電中心の考え方)のまま語られているものや、一部の失敗事例だけを切り取った情報が混ざっていることも少なくありません。
一方で、2026年の日本のエネルギー環境は、これまで以上に厳しさを増しています。
円安や国際情勢の影響を受けて電気料金が上がりやすく、家計の固定費を押し上げる状況が続いています。
さらに、制度面でも新築住宅への太陽光設置が進み、国が推進する一方で、現場からは否定的な声も出る、そんなねじれが起きています。
このギャップが、太陽光を「結局どっちなの?」と感じさせる最大の要因です。
では、なぜ「やめたほうがいい」と言われるのか。
結論から言えば、太陽光発電の役割が変わったからです。
かつての太陽光は「売電で利益を出す投資」として語られがちでした。
しかし2026年の主戦場は、電気代高騰から家計を守る自家消費の設計に移っています。
この前提に対応できず、10年前と同じ感覚で「売電収入で得をする」発想のまま導入すると、期待と現実がズレて失敗しやすい。
だからこそ今でも「やめたほうがいい」という声が残るのです。
本記事では、2026年の現実に合わせて視点をアップデートし、なぜ否定的な意見が生まれるのか、その背景にある5つの決定的な論点を整理します。
リスクを直視しつつ、感情的な反対論や過度な営業トークに流されないための「判断基準」を、できるだけわかりやすくまとめていきます。
あなたの家の屋根は、価値を生む資産になるのか。
それとも負担を増やす選択になるのか。
2026年の新常識に基づいて、一緒に答えを探していきましょう。
第1章:理由①:売電価格のさらなる下落と「投資」としての旨みの消失
太陽光発電を検討するとき、多くの人が最初に気にするのが「売電でいくら入るか」です。
ところが2026年の制度設計は、かつての「売って儲ける投資」とは前提が別物になりました。
結論から言えば、売電を主目的に据えた導入は勝ち筋が細く、条件を外すと一気に苦しくなります。
ここでは、2026年度の買取単価と回収の考え方を整理し、投資目的の導入が「やめたほうがいい」と言われる理由を噛み砕いて解説します。
1-1. 2026年度FIT単価:高いのは「最初だけ」、平均すると伸びない
住宅用(10kW未満)の新規案件は、2026年度から初期投資支援スキームが本格化し、買取単価は「最初の4年間が24円/kWh、残り6年間が8.3円/kWh」という二段階になっています。
10年平均にすると約14.6円/kWh相当で、数字の見え方より実入りは伸びにくい設計です。
制度初期(2012年度)の住宅用が40円台だったことを踏まえると、売電で利益を出す時代の土台は大きく変わったと捉えるのが自然です。
さらに悩ましいのが、10年後の「卒FIT」。
大手電力の買取は低めになりやすい一方、新電力やセット条件で10円台が提示される例もあり、地域・契約先・条件で差が大きいのが実態です。
つまり「10年間はこの単価で固定、その後も同じ感覚で売れる」という見立てが立ちにくく、売電一本で計画を組むほど不確実性が増えます。
1-2. 回収期間の長期化:FIT期間(10年)だけでは読み切れない
売電収入を軸に回収を組むと、近年はFIT期間内で確実に元が取れる設計になりにくいのが現実です。
単価が下がったぶん、同じ発電量でもキャッシュインが増えないからです。
その結果、11年目以降は「卒FITの単価」「パワコン等の更新」「点検・修理」など、変動要素を抱えたまま回収を続ける形になりやすい。
投資として見るなら、ここが最大の弱点です。
1-3. 価格構造が逆転:得をするのは「売る人」ではなく「買わない人」
ここで押さえたいのが、売電と買電の単価差です。
家庭用の電気料金は、電力量料金に加えて再エネ賦課金などが上乗せされ、負担感が増えやすい構造です。
実際、再エネ賦課金は年度ごとに単価が設定され、2025年度も引き上げが報じられています。
補足として、ざっくりした感覚値で見ると分かりやすいです。
たとえば売電は10年平均で約14.6円/kWh相当なのに対し、買電側は電力量料金だけでも1kWhあたり20円台後半の設定が一般的で、ここに賦課金・燃料費調整などが上乗せされます。
同じ電気でも「売る=十数円」「買う=二十数円+α」になりやすい以上、利益を狙って売るより、買わずに済ませる運用のほうが合理的になりやすい、というわけです。
そして、自家消費へ寄せるほど「昼間に使えるか」「貯められるか」が重要になります。
共働きで日中不在が多い家庭は、蓄電池やV2Hなど貯め先がないと効果が出にくい。
ここを省いたまま売電前提で組むと、数字上は成立して見えても、体感は「思ったほど減らない」になりやすい点に注意です。
この章の結論はシンプルです。
売電で儲ける発想のままならリスクが勝ち、電気を買わない設計にできるほど勝ちやすくなります。
導入前は、必ず「自家消費率」と「蓄電池込みの実質回収」で試算し、売電収入はおまけとして扱いましょう。
第2章:理由②:設置環境のミスマッチが招く「生涯赤字」のリスク
「太陽光を載せれば、どんな家でも節約になる」
この考え方は、2026年の現実とはズレが出やすくなっています。
太陽光は設備であって、万能な貯金箱ではありません。
屋根の向き・影・地域条件・近隣との距離感が噛み合わないまま導入すると、発電量が想定を下回り、追加工事やトラブル対応で費用が膨らみ、「節約のはずが赤字」という結末になり得ます。
ここでは、導入前に潰しておくべき環境リスクを整理します。
2-1. 「影」の読み違いは、発電計画を一発で崩す
都市部では3階建ての増加、空き地の再開発などで、屋根まわりの条件が年々変わります。
太陽光にとって致命傷になりやすいのが「影」です。
■ わずかな影でも、出力低下は面積比どおりに済まない
太陽光パネルはセルが直列につながる構造のため、一部が遮光されると発電が大きく落ちることがあります。
影ができたときの挙動を抑えるためにバイパスダイオードが搭載されていますが、それでも「影=面積10%なら発電も10%減」みたいな単純計算にはなりません。
パナソニックのFAQでも、影が出た際にバイパスダイオードが働く仕組みが説明されており、遮光が発電に影響する前提は押さえておくべきポイントです。
■ 失敗パターンは「冬の朝夕」を見ていない
業者のシミュレーションが年間平均中心だと、冬の太陽高度が低い時間帯(朝夕)に電柱や隣家の影が刺さって、想定より発電が伸びないケースが起きます。
自家消費を前提にするほど「日中にどれだけ作れるか」が効いてくるので、影の検討は細かすぎるほどでちょうどいいです。
■ 導入前のチェック
- 冬至前後の朝9時/夕方15時台の影を想定しているか
- 将来建つ可能性(隣地・空き地・建替え)も踏まえた説明になっているか
- 影がある前提で、パネル配置や回路(ストリング)の切り方まで提案されるか
2-2. 近隣トラブルは「収支」より重いリスクになる
2026年は、金銭面よりも精神的・時間的コストが大きいのが近隣トラブルです。
代表例が反射光(光害)と機器音です。
■ 反射光(光害):条件次第で法的リスクになる
反射光は、屋根角度・季節・時間帯で進路が変わるため、設置後に問題化しやすい領域です。
実際に、太陽光パネルの反射光について、受忍限度を超えるとして撤去や損害賠償が争点になった事例が整理されています。
また直近では、福島市のメガソーラーで反射光が届くとの計算結果を事業者が報告したと報じられており、「反射光が社会的な論点になり得る」こと自体は押さえておく価値があります。
■ 導入前のチェック
- 北面・東西面など、反射が近隣に向きやすい面に載せない設計か
- 反射光の説明が「大丈夫です」で終わらず、時間帯・季節まで踏み込んでいるか
- トラブル時の対応(調整・移設・追加対策)の負担区分が契約に明記されているか
■ パワコン等の音:敏感な人には生活問題になる
パワコンは運転状況によって高周波成分の音が出ることがあり、低周波の感じ方は個人差があります。
環境省の資料でも、低周波音に関する苦情と対策の考え方がまとめられています。
「隣家の寝室側の外壁」や「自宅の寝室の近く」に設置すると、後から動かすのが大変なので、位置決めは軽視しないほうが安全です。
2-3. 地域特性を無視すると、保証と耐久で詰む
日本は地域差が大きく、全国一律の標準仕様が合わない家は普通にあります。
■ 塩害:保証条件でハネられることがある
沿岸部は金属部の腐食が進みやすく、メーカー・機種によっては設置条件が厳しかったり、逆に「海岸から500m以内でも設置可」と明記しているものもあります。
(例:シャープの仕様表で重塩害地域への屋外設置可の注記)
一方で、重塩害地域を除外条件として示す資料もあり、ここはメーカーごとの約款勝負になります。
結論:地域条件は、保証書の注記で最終確認が必須です。
■ 積雪:落雪・耐荷重・施工仕様までセットで考える
雪国では「パネル自体」より、架台・屋根勾配・雪止め・落雪動線の設計が事故と修繕費を左右します。
発電以前に、安全と責任(対物・対人)をどう守るかが本題になります。
2-4. 2026年の結論:環境が合わない屋根は“資産”ではなく“負債”になり得る
太陽光は、設置した瞬間に勝負が決まります。
影・反射光・音・塩害・積雪のどれかが濃い家で、対策設計が甘いまま導入すると、節約どころか「追加費用・近隣対応・保証対象外」で消耗する可能性が高い。
逆に言えば、ここを丁寧に潰せる施工店と設計なら、同じ太陽光でも結果は変わります。
第3章:理由③:メンテナンスと廃棄費用——「放置できない設備」になった現実
太陽光発電を「載せたら終わり」「あとは勝手に稼いでくれる」と捉えているなら、2026年の前提とはズレています。
いまやめたほうがいいと言われる背景には、維持管理(点検・交換)と、将来の撤去・廃棄を見据えたコストが、想像以上に効いてくることがあります。
ポイントは一つ。
太陽光は家電ではなく、長期運用が前提の設備だということです。
導入メリットを出すには「発電」だけでなく、「維持」と「出口(撤去)」までを最初に織り込む必要があります。
3-1. 住宅用でも求められる「保守点検・維持管理計画」と、現実にかかる手間
まず誤解が多いのがここです。
住宅用(10kW未満)でも、FIT認定の手続き上、保守点検・維持管理計画を用意する前提になっています。
計画の中身は「専門業者での難しい点検」だけを意味せず、少なくとも目視などで異常を確認する、といった考え方も含めて検討するよう整理されています。
また、認定申請の入力項目としても「保守点検責任者」「保守点検及び維持管理計画」を記載する流れが明記されています。
ただし現場では、「計画は書いたが、実際の運用が曖昧」のまま年数が経ち、トラブル時に困るケースが出やすい。
だからこそ、最低限の運用ルールを先に決めておくのが安全です。
■最低限、これだけは決めておく(住宅用の現実解)
- 年に数回:発電モニターの数字の違和感チェック(急に落ちる/日々のブレが不自然)
- 年に1回:目視(割れ・浮き・配線のたわみ・鳥害・雑草や落ち葉の溜まり)
- 施工店に任せる範囲:点検の頻度、費用、連絡窓口、緊急時の対応時間
なお、住宅用の点検については、業界団体資料でも「設置年度や契約形態で前提が違う」ことが整理されています。
たとえば2017年度以降は、認定申請時に申告した計画内容を確認するよう促しています。
つまり2026年は、「義務かどうか」よりも、運用をサボったときに困る構造ができあがっていると見たほうが正確です。
3-2. 10〜15年目に刺さる「パワコン交換」という大きな出費
太陽光の体感を一番左右するのは、パネルの劣化よりも、パワーコンディショナ(パワコン)の寿命と交換費用です。
住宅用の交換費用は条件で幅があり、目安として「本体+工事込みで25万〜60万円程度」といったレンジが紹介されています。
ここが厄介なのは、交換タイミングが10〜15年で来やすいこと。
導入後しばらくは順調でも、ある日いきなり発電が落ちて「修理か交換か」の判断を迫られます。
そしてその頃には、家計側の状況(教育費・住宅ローン・車の買い替えなど)も変わっていることが多い。
だから2026年に現実的なのは、最初からこう考えることです。
- 「導入費」だけでなく、10〜15年後にもう一回大きな支出が来る前提で資金計画を組む
- 交換費用を吸収できないなら、最初から過剰な容量にしない(背伸びをしない)
- 見積もり段階で「交換時の概算」「交換時の工事条件(足場の要否など)」を確認しておく
3-3. 「廃棄等費用積立制度」が示したメッセージ:出口は必ず来る
2026年の制度面で象徴的なのが、廃棄等費用積立制度です。
これは主に10kW以上の案件で、将来の解体・撤去に備えて費用を確保させる仕組みとして整理されています。
住宅用(10kW未満)に今すぐ同じ強制積立がかかる、という話ではありません。
ただ、この制度が示したメッセージは明快で、要するにこうです。
「太陽光はいつか撤去する。だから出口費用を最初から考えなさい」
撤去・廃棄費用は、屋根の条件や足場の要否で変わりますが、住宅用でも「数十万円規模」を想定している解説が複数あります(例:目安として約40万円など)。
また、廃棄費用は1kWあたりの目安(中央値)といった整理もあり、条件差がかなり大きいことが分かります。
つまり、導入判断で怖いのは、「毎月の節電額」だけで見て、20年後の撤去費用を未来の自分に丸投げすることです。
ここを最初に織り込めないと、結局「トータルで得だったのか分からない」状態になります。
第4章:理由④:初期費用が高止まりする中での「ローン金利」の脅威
太陽光発電を「やめたほうがいい」と慎重派が言う背景には、2026年現在の資金計画リスクがあります。
以前は「低金利で導入し、売電収入で返す」という設計が成立しやすかった一方、いまは状況が変わりました。
部材・工事費の高止まりに加え、金利は上向きやすく、ローンを組むほど見えないコストが増えます。
節約目的で導入したはずの設備が、家計を圧迫する原因になりかねません。
4-1. 円安とインフレで「設置コストが下がらない」
2010年代はパネル価格の下落が追い風でしたが、近年は「待てば安くなる」前提が崩れています。
輸入比率の高い部材は円安の影響を受けやすく、アルミ・銅などの資材価格、施工人件費も上がりやすい。
結果として、住宅用の設置費用は1kWあたり約28万円台という水準が示されており、大きく下がりにくいのが現実です。
■ ここで起きやすい見積もりのズレ
- 「パネル代は安い」→ 架台・配線・足場・分電盤工事で膨らむ
- 「同じkW数でも安い」→ 保証や施工仕様が薄い(後で追加費用)
- 「相場より安い」→ 必要部材を削っている(安全装置・架台品質など)
■ 見積もり比較の軸(最低限)
- 総額だけでなく kW単価(総額÷kW)
- 足場が入るか/入らないか(屋根条件で変わる)
- 保証の対象(パネルだけ?パワコン含む?施工含む?)
4-2. 2026年は「金利」が効いてくる
見落とされがちなのがローン金利です。
日本では金融正常化の流れが進み、日本銀行の政策金利は2025年12月に0.75%へ引き上げられ、2026年も追加利上げ観測が出ています。
実務的な目安として、商品タイプにもよりますが変動で1.5〜3%台、固定で3〜4%台がレンジとして語られます。
同じ設備でも、「現金一括」と「ローン」では最終的な総支払額に差が出ます。
■ローンで起きがちな逆転
- 節電額より 金利負担が目立つ(売電前提の設計だと顕著)
- 10〜15年後の パワコン交換時期とローンが被る
- 教育費・車・住宅修繕などと重なり、支出がピーク化する
■ローンを組むなら押さえるポイント
- 金利は 固定/変動どちらか(上昇局面なら意味が出る)
- 繰上返済の条件(手数料・一部返済の可否)
- 「金利込み総額」で比較(導入費だけで見ない)
- 売電で返すではなく、自家消費で買電を減らす設計になっているか
4-3. 補助金は「条件つき」が増え、読み違えると逆効果
「補助金が出るから実質安い」という説明は、2026年だと注意が必要です。
制度の多くは、太陽光単体よりも蓄電池やV2Hなど、セット導入側に寄ることが多く、要件や申請フローも自治体・年度で変わります。
たとえばV2Hは国の補助制度として枠が用意されています。
■ 補助金で失敗しやすいパターン
- 「もらえる前提」で契約 → 予算枯渇・要件不一致で不支給
- 条件達成のために 不要な機器を追加し、総額が跳ねる
- 申請を施工店任せにして 書類不備で遅延・不支給
■ 導入前に確認するチェックリスト
- 補助金の対象機器(型番指定の有無)
- 申請の名義(誰が申請者か)
- 交付決定前の契約可否(先に買うとNGがある)
- 不支給になった場合の負担(誰が損を被るか)
4-4. 「ゼロ円ソーラー(PPA)」は“総額”と“縛り”を必ず確認
初期費用を抑えたい層に広がっているPPA(屋根貸し)も万能ではありません。
契約は10〜20年と長期になりやすく、途中解約が難しい・自由にやめにくいといった制約が出ます。
解約時に費用が発生するケースも指摘されています。
■ PPAで必ず見るべき条項
- 契約期間(終了後にどうなる?譲渡?撤去?)
- 月額料金の算定方法(上がる条件があるか)
- 途中解約の条件(違約金・残債・撤去費の負担)
- 売却・相続・リフォーム時の扱い(名義変更や撤去の手間)
第5章:理由⑤:施工トラブルと「雨漏り」リスクは、2026年もゼロではない
太陽光発電の最大の弱点は、パネルの性能ではなく施工の品質が成果を左右する点にあります。
どれだけ高性能な機器でも、屋根に穴を開ける工程・防水処理・配線処理のどこかでミスが起きれば、節電どころか住宅の寿命を縮めるリスクに直結します。
近年は、東京都などで新築への設置が進む流れもあり、需要の増加に合わせて参入事業者が増えています。
結果として「施工の当たり外れ」が再び目立ちやすくなり、導入後のトラブル=施工起因という構図は、2026年も変わっていません。
5-1. 住宅の寿命を縮める「雨漏り」は、最悪のコスト爆弾
太陽光の工事は、屋根材の上に載せるだけでは終わりません。
多くのケースで、架台を固定するために屋根の防水層へ介入します。
ここで怖いのが、設置直後は問題がなくても、年数が経ってから出る雨漏りです。
雨漏りが起きやすい典型パターンは、だいたい次の通りです。
- コーキング・パッキンの経年劣化(紫外線・寒暖差で硬化、ひび割れ)
- ビス穴まわりの防水処理不足(止水部材の選定ミス、施工手順の省略)
- 屋根材ごとの工法ミスマッチ(瓦・スレート・金属屋根を同じ感覚で扱う)
- ケーブルの取り回しが雑(雨水の通り道を作ってしまう)
- 点検・増し締めの未実施(初期不良が小さいうちに潰せない)
さらに厄介なのは、近年の高気密住宅だと「水の逃げ場」がなく、屋根裏側でじわじわ進行しやすいこと。
気づいた時点で、断熱材・下地・構造材まで傷んでいて修繕が大きくなる、という流れになりがちです。
そして重要な注意点があります。
雨漏りが施工ミス由来と判断された場合、メーカー保証の対象外になるのが一般的です。
つまり、保証年数が長いパネルを選んでも「雨漏りは別問題」になりやすい。
ここを先に理解しておくと、業者選びの目が一段シビアになります。
5-2. 2026年に増えやすいのは「設計ミス」と「現場の省略」
施工トラブルは「手抜き工事」という言葉で片づけられがちですが、実際はもう少し現実的で、次の2つが多いです。
① 設計ミス(入口で負ける)
- 屋根の強度・劣化状態の確認不足(下地が弱い、過去に雨漏り歴あり、など)
- 風荷重・積雪荷重の読み違い(地域条件を全国一律で見てしまう)
- 配線経路・貫通部の計画が甘い(雨仕舞いが後回し)
- 施工後の点検動線を考えていない(のちの点検・補修が困難)
② 現場の省略(最後に負ける)
- 防水部材の正しい順番を飛ばす(部材は良くても手順でアウト)
- ビスの規定本数不足/締結トルク不適切(強風時の浮き・ガタ)
- ケーブル固定が弱い(擦れ、断線、異音、見た目の劣化)
- パワコン設置位置が雑(熱だまり・騒音クレーム・メンテ性の悪化)
特に雨漏りは、「材料が良い=安心」ではなく、施工手順の精度で決まります。
ここを言語化して説明できない業者は、避けたほうが安全です。
5-3. 近隣トラブルの火種は「音」と「責任の所在」
雨漏りと並んでジワジワ効いてくるのが、近隣との関係です。
原因は揉めポイントが生活に直結するからです。
■よくある火種
- パワコンの設置位置が悪く、隣家側で「高周波っぽい音」が気になる
- 配線・配管の固定が甘く、風で振動音が出る
- 工事中の対応(挨拶、養生、騒音時間)が雑で印象が悪い
- トラブルが起きたとき、販売店・施工店・メーカーで責任がたらい回し
そして2025〜2026年に目立つのが、「点検が義務化された」と不安を煽って契約に持ち込むタイプのセールスです。
国民生活センター も、この手の勧誘に注意喚起を出しています。
第6章:それでも「やるべき人」の条件:家計を守るための新基準
「太陽光はやめたほうがいい」という警告は、裏を返せば古い前提のまま導入すると失敗するという意味です。
2026年の太陽光は、売電で儲ける装置ではなく、高い電気を買わないための家計防衛ツールとして向き・不向きがハッキリ出ます。
ここでは、後悔を利益に変えやすい「やるべき人」の条件を、3つの基準で整理します。
6-1. 「売電を狙わず」自家消費を最大化できる世帯
今の太陽光で成果が出るのは、売るではなく買わない運用ができる家です。
売電単価と買電単価の差が大きいほど、同じ1kWhでも価値が変わります。
自家消費に強い世帯の特徴は、ざっくり次のどれかに当てはまります。
- 日中に在宅(在宅ワーク、育児、介護など)で電気使用が多い
- 昼に動かせる家電がある(食洗機・洗濯乾燥・エコキュートの沸き上げなど)
- ピーク時間(夕方〜夜)の買電を減らせる(蓄電池・EV活用、生活リズム調整)
■ ポイント
- 「売って稼ぐ」ではなく「買わずに済ませる」
- 収支の中心を、売電収入ではなく買電削減額に置ける家ほど強い
6-2. EV保有(または近い将来の購入予定)がある世帯
EVがある家庭は、太陽光の効きが別物になります。
理由はシンプルで、EVは家庭視点だと超大容量の電池だからです。
うまくハマると、メリットは次の3つに集約されます。
- 昼の余剰をEVに充電して、夜の買電を減らせる
- V2Hがあれば、EV→家へ給電してピーク時間を避けられる
- ガソリン代(または外部充電代)の削減が、太陽光の効果に上乗せされる
ただし、ここは勢いで決めると危険ゾーンでもあります。
■ チェック必須
- 車種がV2H/双方向充電に対応しているか(将来変更も含めて)
- 分電盤・配線・設置スペースの条件を満たすか
- 契約期間の縛り(PPAやリースで自由に変えられない)がないか
「EVはまだ検討段階」という人でも、将来V2Hを足せる構成(拡張性)にしておくと、後から詰みにくいです。
6-3. 経済性だけでなく「防災価値」に重心を置ける世帯
ここを腹落ちできる人は、導入後にブレません。
太陽光+蓄電池(またはEV/V2H)は、節約装置であると同時に生活インフラのバックアップになります。
防災価値で評価する人の判断軸はこうです。
- 停電時に冷蔵庫・照明・通信(Wi-Fi/スマホ充電)が維持できる
- 夏冬にエアコンが使える可能性が残る(全負荷型など構成次第)
- 台風・豪雨などの「突然」に対して、家の中の耐性が上がる
このタイプの人は、初期費用を、
- 「回収の投資」だけでなく
- 長期の保険料としても捉えられるので、短期の数字ブレで後悔しにくいです。
まとめ:後悔をゼロにする「優良業者」と「シミュレーション」の見極め方
結論はシンプルです。
太陽光で後悔するか満足するかは、メーカーや価格以上に、「リスクを先に正直に伝える業者かどうか」で決まります。
2026年の太陽光は、売電で利益を狙うよりも、高い買電を減らして家計負担を抑える運用が中心になるため、前提が古い提案ほど失敗につながりやすいからです。
【2026年の最終チェックリスト】
① 「売電で儲かる」を主語にしていないか
- 売電を強調する提案は、収支の前提が古い可能性があります。
- 確認すべきは「自家消費前提で、現実的な設計になっているか」です。
② 収支に入れるべき費用が全部入っているか(書面で)
口頭説明ではなく、見積書・シミュレーションに数値として入っているかを確認します。
- 定期点検(頻度と単価)
- パワコン交換(時期目安と費用)
- 撤去・廃棄(足場、人件費、処分)
- 追加工事(分電盤、配線、足場など)
③ 発電量は「強気」ではなく「厳しい数字」を基準にする
- 影の評価が甘いと、導入後に取り返せません。
- 冬の朝夕まで影を見ているか、月別・時間帯で説明できるかがポイントです。
- 迷ったら、慎重な予測を基準に検討する方が安全です。
④ 施工の責任範囲が明確か(雨漏り対策)
- 自社施工か/外注か(外注なら責任者は誰か)
- 認定施工(施工ID等)の提示ができるか
- 屋根材別の防水工法を説明できるか
- 雨漏り時の窓口、調査費用、免責条件が明確か
⑤ 契約を急がせないか
- 「今だけ」「補助金が確実」など、急かす提案は要注意です。
- 太陽光は、急いで決めるほど失敗しやすい買い物です。
太陽光は、導入した瞬間よりも「運用してから差が出る設備」です。
厳しい前提でも成り立つシミュレーションと、施工体制・保証の線引きが明確な業者を選べれば、後悔の確率は大きく下がります。
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